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【眼科コラム】加齢黄斑変性について (2021年12月1日)

加齢黄斑変性について

ヒトは情報の80%を視覚から得ていると言われています。しかし、加齢とともに、眼に様々な変化が発生し、視力が落ちることで、車の運転・ゴルフ・読書・手芸などの楽しみが奪われることがあります。なかでも「加齢黄斑変性」は、高齢者に多い病気で、視力の中心となる黄斑部がダメージをうける病気のひとつです。

<加齢黄斑変性とは?>

加齢黄斑変性とは、ものを見る時に重要な「網膜」の中で、重要なはたらきをする「黄斑」という組織が加齢とともにダメージを受けて変化し、視力低下を引き起こす疾患です。
「黄斑」が「加齢」によって、「変性」するため、「加齢黄斑変性(Age-related macular degeneration)」という病名になっています。
加齢黄斑変性は、欧米では、中途失明の原因第2位であることが知られていました。最近日本でも高齢化に伴い、患者数が増加しており、我が国の視覚障害の原因の4位です。福岡県の久山町で行われた健診結果では発生率が50歳以上の0.87%で、男性に多く、近年、高齢化社会になるにつれ、その増加が問題になってきています。

<加齢黄斑変性の原因>

加齢黄斑変性の原因は老化です。黄斑部における老廃物を処理する働きが衰え、黄斑部に老廃物が沈着し、網膜の細胞や組織にダメージを与えることが発生メカ二ズムとして唱えられています。他にも、紫外線暴露・喫煙・遺伝・生活習慣も、加齢黄斑変性への移行を促進していると考えられております。

<加齢黄斑変性の分類>

加齢黄斑変性は、欧米人に多く日本人に少ない「萎縮型」と、日本人に多い「滲出型」に分類されます。萎縮型加齢黄斑変性は、黄斑部の視細胞が時間をかけてダメージを受ける病態です。
一方、滲出型加齢黄斑変性は、進行が速く、治療を躊躇していると、深刻な網膜の障害を残してしまいます。これは、滲出型の場合「脈絡膜新生血管」という異常血管が突然発生したり活動化することが原因です。この新生血管は、破れやすく、血管の中身が漏れやすいため、出血や滲出により網膜の視細胞が障害されます。

<加齢黄斑変性の治療>

滲出型加齢黄斑変性の治療には、1. 抗血管新生療法、2. 光線力学的療法、3 . レーザー光凝固術があります。
1. 抗血管新生療法
加齢黄斑変性の原因となる脈絡膜新生血管は、血管内皮増殖因子(VEGF)というたんぱく質によって成長が促進されます。近年、このVEGFを抑える薬剤が開発されました。
本治療では抗VEGF薬を硝子体内注射といって、眼に直接注射します。外来でできる治療ですが、麻酔の上、眼を消毒し、清潔な状態で行い、手術と同様の治療です
治療のスケジュールは病状により異なりますが、一般的には、はじめ3回毎月連続で注射を行います。治療効果の出方には個人差がありますので、長期にわたって注射を継続する必要があることもしばしばあります。中断すると、再発し、治療前の状態にもどることもしばしばあるので、根気よく治療を続ける必要があります。
横浜けいあい眼科でも抗VEGF薬の硝子体内注射が可能です。


2. 光線力学的療法
抗血管新生療法と併用で行うことがあります。 光に反応する薬剤(ベルテポルフィン)を注射した後に、病変部に弱いレーザーを当てる治療です。


3. レーザー光凝固術
脈絡膜新生血管が、中心窩にない場合はレーザーで焼切ることが可能です。レーザーを照射した部分の網膜の視細胞はやられてしまうので、その部分は見えなくなりますが、新生血管が中心窩に及ぶことを防ぐことができるため、視力が低下することを防ぐことが可能です。

<加齢黄斑変性の予防>

前述の通り、加齢黄斑変性は、いくつかの原因がわかっています。そのため、禁煙・紫外線・食生活に気をつける必要があります。網膜を障害する活性酸素を軽減するための抗酸化ビタミン(ビタミンE、ビタミンC、ベータカロチンなど)、黄斑を保護する作用のある色素ルテインを配合している緑黄色野菜などが予防に有効と言われています。また、加齢黄斑変性の予防のために様々なサプリメントが販売されており、海外の大規模臨床試験の結果に基づいて有効性が証明されているものも存在します。


加齢黄斑変性は以前と違って、有効な治療や予防が可能な病気に変わりつつあります。決してあきらめることなしに、予防や治療を積極的に行うことが、老後の生活の改善につながります。下記の、チェックシートで引っかかる場合、すぐに眼科を受診しましょう。

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