11月10日「世界円錐角膜の日」~ “見え方の変化” に気づいていますか?~
11月10日は「世界円錐角膜の日」です!
角膜は、俗にいう“黒目”と呼ばれる部分で、目の中央にある直径11mmくらいの円形の組織です。普通は滑らかで丸い形を保っていますが、この丸みが失われ、角膜が薄くなって突き出してしまう病気があります。それが「円錐角膜」です。
メガネやコンタクトレンズを使っていても急に見え方が変わった、という経験がある方は注意が必要です。この機会に、自分の“見え方”と角膜の健康について考えてみましょう。
円錐角膜とは
円錐角膜とは、角膜の中央付近の厚みが薄くなり、角膜が円錐状に前方へ突出する病気です。前方に突出することにより近視と乱視が強くなり、視力が低下します。通常、両眼に発症しますが、左右の眼で進行の程度に差があることが多いです。
通常10代後半から20代前半に発症し(アトピー患者に合併することが多く)、10~20年で進行後に停滞します。初期段階ではまぶしさや光に対する過敏さが見られ、進行すると角膜の突出と濁りによる視覚の歪みが顕著になります。また、角膜浮腫による突然の視力低下も発生することがあります。
症状
・視力が落ちる、メガネで矯正しても十分見えない
・見え方がゆがむ、二重・三重のように見えることがある
・まぶしさや夜間の光がまぶしく感じる”
進行がある程度進むと、角膜の突出・濁り・角膜浮腫による突然の視力低下が起こることがあります。
原因
はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、次のような因子が関係しています
・遺伝的な傾向があるという報告があります。
・「アレルギー性結膜炎」「アトピー性皮膚炎」などがある方で、
目をこすりがちな方は進行しやすいリスクがあります。
・特に「目を強くこする」という行為は、
角膜を薄く/変形しやすくする要因とされています。

予防
・目がかゆい・アレルギー症状が出るときは、こすらないように気をつけましょう。
目をこすることが進行の一因となります。
・「視力の急な低下」「メガネを変えても見え方が改善しない」「見え方がゆがむ」など、
いつもと違う見え方の変化に気づいたら早めに眼科受診をしましょう。
・定期的に角膜形状を検査できる眼科を受診し、特に10代〜20代で視力変化が急な方は注意が必要です。
・コンタクトレンズを装用している方は、定期検査を受けつつ、適切な装用・ケアを守りましょう。
さいごに
円錐角膜の治療は、進行するほど治療の選択肢が減るため、早期発見と進行予防が重要になります。 気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。 当院でも、定期的に眼科ドックをうけることを推奨しております。