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【眼科コラム】緑内障について (2021年7月1日)

緑内障とは

様々な原因によって、眼と脳を繋いでいる視神経が傷つき、減ってしまった神経線維に対応する部分の視野(見える範囲)が狭くなる病気です。

緑内障の原因ははっきりとは分かっていませんが、眼の中の圧力(眼圧)を十分に下げることで進行を抑制できる(遅らせられる)ことが知られています。

日本人では40歳以上の5.8%が罹患(多治見スタディ)しており、失明原因の第1位でもある非常に重要な病気ですが、無症状で進行することが多いため、診断・治療されていない方が非常に多いという問題があります。

 

緑内障の分類と検査

形態学(解剖学)的には、隅角(眼の中を流れる水である房水の出口にあたる部分)が開いているタイプと閉じている2つのタイプがあります。

また、原因となる病気がはっきりしている続発性(ぶどう膜炎など)と、他の原因となる病気がない原発性の2つのタイプがあります。

診断に必要な検査として、眼圧検査、眼底検査、視野検査があり、眼圧が高いか、視神経線維が薄くなっているか、視野が欠けていないか、などを総合的に判断します。その他、細隙灯顕微鏡(スリット光を使って眼を観察する)検査やOCT(三次元での画像解析)検査などを行います。

図1. 視神経乳頭(視神経と眼が繋がっている部分)の緑内障性変化

 

① 原発開放隅角緑内障

房水の出口にある隅角は開放している(開いている)にも関わらず、隅角の先にあるシュレム管や(網目構造をした)線維柱帯といった組織が目詰まりを起こした結果、房水の流れが悪くなり、眼圧が(個々人の至適な範囲に比べて)上昇することで、長期的に視神経線維が障害され、気づかないうちに視野障害などが進行していく病気です。

初期には視野の一部が欠けても気づかないことが多いですが、時に眼精疲労などの症状を来すことがあります。後期には視野障害が進行し、車の運転や日常生活にも支障を来し、最悪の場合は失明に至ってしまいます。

まずは点眼治療で眼圧を低下させることが重要です(視神経の脆弱性には個人差があるため、至適眼圧は個々人により異なります)。また、レーザーにより目詰まりを解消させる方法もあります(エアコンのフィルター掃除のイメージです)点眼治療で眼圧が下がらなかったり視野障害が進行する場合には、手術を行います。具体的には、線維柱帯切開術(目詰まりが起こっている線維柱帯の網目構造を切り開くことで房水の流れを改善する手術)や線維柱帯切除術(線維柱帯そのものを切除)及びチューブシャント手術(金属のシャントを留置)などのバイパス手術を行います。

図2. 緑内障性視野障害 (静的視野検査:黒い部位の視野が欠けています)

 

② 原発閉塞隅角緑内障

房水の出口である隅角自体が閉塞しており、急性緑内障発作を起こす可能性が高いタイプの緑内障です。急性緑内障発作では、急激に隅角が閉塞することで房水の流れが悪くなるために急激な眼圧上昇を来し、激しい眼痛(頭痛)、吐き気、嘔吐や、急速な視神経線維の障害と視野障害を来し、最悪の場合は1日で失明してしまうことがあります。

遠視(眼軸長が短い)、小眼球などでは、もともと隅角が狭いため発作が起こりやすいとされ、日本人では高齢女性に多いとされています

すぐに眼圧を下げないと視力障害を来してしまうので、緊急での治療を行います。まずはピロカルピン(縮瞳させて隅角を開きやすくする薬)や眼圧を下げる点眼薬を使用し、アセタゾラミドの内服(房水の産生を抑制、浸透圧で水を引く)や高浸透圧薬の点滴(血中から房水中への水分移行を阻害)を行い、眼圧を下げます。次に、落ち着いた段階で、外科的治療として、虹彩切開術(虹彩(茶目)に穴を開けることで、房水の流れを変えて隅角閉塞を防ぐ)や水晶体摘出術(眼の中のレンズを取り除き房水の流れを改善させる)を行います。

図3. 閉塞隅角緑内障 (前眼部OCT)

図4. 隅角の構造と房水の流れ

 

③ 続発緑内障

何らかの病気に引き続いて房水の流れが悪くなり(せき止められ)、眼圧上昇や視野障害を来す疾患群の総称で、開放隅角と閉塞隅角のものがあります。

– ステロイド緑内障:ステロイドに感受性の高い人が一定の割合で存在し、ステロイドを長期に使用することでによって開放隅角のまま眼圧上昇を来します。

– ぶどう膜炎に伴う緑内障:眼内の炎症に伴い、炎症細胞が線維柱帯に目詰まりを起こして、開放隅角のまま眼圧上昇を来します。

– 外傷性緑内障:外力により隅角が傷つき、房水の流れが悪くなるため眼圧上昇を来します。

– 血管新生緑内障:網膜が虚血(酸欠)になると(酸素を求めて)新生血管が虹彩や隅角に出現することがあり、隅角新生血管の周囲に線維性の膜が生じることで房水の流れが障害されるため眼圧上昇を来します。

– 水晶体に起因する白内障(成熟白内障など):白内障が進行してレンズの厚みが増すことで隅角を狭めたり、炎症が惹起されて線維柱帯の目詰まりを起こすことで眼圧上昇を来します。

– 悪性緑内障:眼内手術後に、本来は眼の前方へ流れるはずの房水が硝子体(眼の後方)に迷入することで後房の容積が上昇すると、隅角が閉塞して眼圧上昇を来します。

緑内障が気になったら

緑内障は、40歳以上の日本人の17人に1人は存在すると言われ、非常に重要な病気です。緑内障が気になりましたら、近くの眼科を受診され、定期的な検診を実施することが重要です。

 

参考文献:
・眼科学 第二版
・公益社団法人 日本眼科医会 (https://www.gankaikai.or.jp/)

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